行政書士は「身近な街の法律家」とも呼ばれる、暮らしやビジネスの法律手続きに精通した専門家です。幅広い業務を担い、公正かつ誠実に職務を遂行することを使命としています。法律に関する相談や書類作成などを通じて、国民の生活向上に貢献する役割を果たします。一般の方々にとっても、困りごとの相談先として気軽に利用できる存在です。
行政書士に依頼すると、以下の利点があります。
最新の法律に対応: 法改正に精通し、正確な書類を作成。スムーズな手続き: 不備やミスを防ぎ、迅速な申請が可能
。負担軽減: 煩雑な手続きを代行し、依頼者は本業に集中できる
。
費用面でも有利: 弁護士より相談料が低めで、無料相談も多数
行政書士は、外国人の雇用や日本国籍の取得に関する複雑な書類作成をサポートします。
主な申請手続き:
在留資格認定証明書交付申請(新規入国のための申請)
在留資格取得・変更・更新許可申請(滞在資格の変更・延長)
資格外活動許可申請(本来の在留資格外の活動許可)
永住許可申請(日本での長期滞在許可)
帰化許可申請書作成(日本国籍取得の申請書作成)
行政書士に依頼するメリット:
申請取次行政書士に依頼すれば、申請人本人が入管へ行かずに手続き可能。
帰化許可申請は法務局が窓口となるため、行政書士が書類準備をサポートします。
役所へ行く手間や時間を省けること、事業の準備に専念できることなどがあります。行政書士は定款の作成や定款認証の代行が可能で、会社に相応しい定款を効率的に作成できます
行政書士は、官公署への申請書類作成や提出代行、定款の作成・認証代行などを行うことが可能です。 ただし、登記申請に関わる書類の作成・提出は司法書士の独占業務のため、行政書士は対応できません。適宜、提携する司法書士先生へこちらから依頼することで二度手間にならないよう工夫します。
株式会社は最低1名で設立可能です。株主が取締役を兼任することもでき、その場合、その1名が代表取締役を務めます。 ただし、取締役会を設置する場合は、以下の役員が必要です。
取締役:3名以上
代表取締役:1名以上
監査役または会計参与(税理士または公認会計士):1名以上
法律上は1円以上で設立できます。しかし、事業を営むには資金が必要であり、成功させるためにどれくらいの資金が必要かよく検討して資本金の額を決めるべきです。また、営もうとする事業に行政の許可が必要な場合があり、その許可要件に資産の要件が含まれることもあるため注意が必要です。
株式会社を設立するには、以下の流れで進めます。
定款の作成: 会社の目的、商号、所在地、資本金、組織体制などを決定し、発起人が定款を作成
定款の認証: 公証役場で公証人による認証を受ける
資本金の払込: 事前に決めた資本金を金融機関に払い込む
設立登記の申請: 法務局へ申請。認証済みの定款や資本金払込証明書を提出
登記完了: 約1?2週間後に登記が完了し、会社設立が正式に成立
登記申請をした日が会社の設立日となります。
自分で手続きを行う場合、以下の費用が必要です。
定款の印紙代: 4万円(電子定款なら不要)
定款認証の公証人手数料: 5万円(合同会社は不要)
定款の謄本費用: 約2,000?3,000円(合同会社は不要)
登録免許税: 資本金額の7/1000(最低15万円、合同会社は最低6万円)
その他: 会社の代表印、登記事項証明書、印鑑証明書の取得費用など
行政書士に依頼すると、上記費用に加えて専門家の報酬(10万〜15万円程度)がかかります。※申請時の手数料を必ず確認して下さい。
株式会社以外には、合名会社・合資会社・合同会社があります。
合名会社: 無限責任社員のみで構成される会社
合資会社: 無限責任社員と有限責任社員が混在する会社
合同会社: 株式会社より手続きが簡略で、公証人による定款認証が不要
現在、新しく有限会社は設立できませんが、過去に設立されたものは存続しています。
遺言書の種類(自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言)全てについて作成支援が可能です。遺言書が法律で定められた要件を満たし、遺言者の気持ちが正しく伝わるようにサポートします。公正証書遺言の作成手続きサポートや、遺言執行者の指定に関する助言も行います。
相続人の範囲と順位は法律で定められています。
配偶者: 常に相続人(ただし、内縁の妻は対象外)
第1順位: 子(養子・胎児も含まれる)
第2順位: 直系尊属(親や祖父母など。子がいない場合に相続人となる)
第3順位: 兄弟姉妹(子・直系尊属がいない場合のみ相続人)
遺産分割協議書は、相続人同士で遺産の分け方を話し合い、その合意内容を正式に書面化したものです。
必要な場面: 不動産の登記手続きや金融機関での相続手続きの際に添付書類として提出が必要になる場合がある
。紛争防止: 事前に作成しておくことで、後々のトラブルを防ぐ役割を果たす。
行政書士のサポート: 相続人全員の合意を適法な形式でまとめ、関係機関への手続き代行も可能。
相続の放棄とは、遺産を一切引き継がないと決める法律上の手続きです。
効果: 相続財産を承継しないことを法的に確定させる
。手続きの期限: 原則として、熟慮期間(3か月以内)に家庭裁判所へ申述が必要。
意思確認: 申請は本人の意思に基づき行われ、裁判所が適切に確認した上で成立。
任意後見制度は、元気なうちに信頼できる後見人を決めておく制度です。
目的: 将来、認知症などで判断能力が低下した際に、財産管理や生活支援をスムーズに行う
。手続き: 契約を締結し、後見人の役割を事前に決めておく
。行政書士のサポート: 任意後見契約書の作成を支援。(実際は、後見制度サポート専門の先生をご紹介することになります。)
行政書士は、終活の際に法的な書類作成と手続きを支援できます。
遺言書作成: 法的に有効な遺言書の作成支援。
財産目録作成: 相続財産を整理し、一覧化
相続関係の整理: 相続人調査や戸籍収集の代行
。任意後見契約の手続き: 将来に備えた後見人の指定。
厚生労働省が管轄する助成金: 雇用維持や生産性向上などを目的とし、雇用保険を財源とするもので、社会保険労務士の独占業務です。
経済産業省や地方公共団体、厚生労働省以外の省庁が管轄する補助金・助成金: 独占的に申請代行を行う士業は存在せず、誰でも申請代行が可能ですが、行政書士が代表的な相談先です。
行政書士は、事業計画書などの必要書類作成のアドバイスや申請代行などのサポートを提供できます。
行政書士に契約書作成を依頼する際、以下の点に注意が必要です。
紛争性のある案件は対応不可: 既にトラブルが発生している契約や、法的リスクの高い契約書の作成は行政書士では対応できません。その場合は弁護士に相談する必要があります。
契約書業務を扱う行政書士が限られている: すべての行政書士が契約書作成を専門にしているわけではないため、対応可能な行政書士を探すことが重要です。
行政書士は法的効力のある内容証明郵便の作成と送付をサポートできます。
目的: クーリングオフや慰謝料請求など、後々のトラブルを防ぐために有効
。作成プロセス: 依頼者の意思に基づき、適切な書類を作成
。送付方法: 内容証明郵便として、正式に相手方へ送付。
事業の開始や運営に必要な許認可の相談には、以下のようなものが行政書士へ多く寄せられます。
建設業許可
産業廃棄物処理業許可
運送業許可
飲食店営業許可
風俗営業許可
古物商営業許可
旅行業登録
農地転用許可・開発許可。
特に建設業許可申請では、頻繁な法改正に伴い申請書類の変更や専門用語に関する相談が多く、以下の書類作成についての相談も増えています。・財務諸表の作成(建設業特有の会計処理)・
公共工事入札関連の書類
建設業許可を取得するには、許可要件を満たした上で、管轄の許可行政庁に申請します。
許可の種類:
建設工事の29業種ごとに許可を取得
一般許可と特定許可のいずれかを選択
申請先:
営業所が1つの都道府県内 → 都道府県知事の許可
。営業所が複数の都道府県にある → 国土交通大臣の許可
。許可要件:
●経営業務の管理能力(責任者設置、社会保険加入など)●
営業所に専任技術者を配置
●誠実性(契約上、不正・不誠実な行為のおそれがないこと)●
財産的基礎(適切な資産を有していること)
国土交通大臣許可の場合、標準処理期間は90日です。補正等がある場合は、その期間が加算されます。
国土交通大臣許可の場合、申請書や届出の各様式において、申請者や役員等による押印が不要となりました。各様式から「印」が削除されています。ただし、行政書士法施行規則第9条第2項による記名職印を不要とするものではありません。
請負契約の見積り、入札、契約締結など、請負契約の締結に係る実態的な行為を行う事務所を指します。他の営業所に対して請負契約に関する指導監督を行うなど、建設業に係る営業に実質的に関与する場合も営業所となります。
登記上の本店であっても、実際は建設業に関する営業を行わない店舗や、建設業と無関係な支店・営業所は該当しません。
「軽微な建設工事」のみを請け負う場合は、建設業許可は不要です。具体的には、以下の条件に該当する工事のみ許可なしで請け負えます。
・建築一式工事: 請負代金1,500万円(税込)未満 または 延べ面積150u未満
建築一式工事以外の建設工事・ 請負代金500万円(税込)未満。
請負代金の算定基準:
契約を複数に分割した場合は合計額で判断
注文者が材料を提供した場合は材料費も含めて計算
消費税・地方消費税を含めた総額で判断
。注文者が提供する材料費を加算し、税込500万円(建築一式工事は税込1,500万円)以上になる場合は許可が必要です。※解体工事は軽微な工事でも登録が必要(リサイクル法に基づく解体工事業者登録)※工事金額基準は申請時の金額を必ずご確認ください。
建設業を営む営業所の所在地が2つ以上の都道府県に存する場合は、国土交通大臣の許可が必要です。営業所のない他県で建設工事を施工することは可能です。
建設業許可を取得した後は、定期的な手続きが必要です。
・決算報告の提出: 毎事業年度終了後、4か月以内に提出
。・許可の更新: 有効期間は5年間、満了日の30日前までに更新。・申請
変更届の提出: 商号・名称・役員・所在地を変更した場合、30日以内に申請。・
技術者・責任者の変更届: 経営業務管理責任者や専任技術者が交替した場合、14日以内に届け出。
許可後も適切な手続きが必要なので、計画的に対応しましょう。
「一式工事」の許可を受けていても、各専門工事の許可を受けていない場合は、500万円以上(税込)の専門工事を単独で請け負うことはできません。例えば、建築一式工事の許可があっても、単独で500万円以上の内装工事を請け負う場合は内装仕上工事業の許可が必要です。
附帯工事とは、主たる建設工事を進める過程で発生する補助的な工事です。
主たる工事の許可があればOK → 別途許可は不要
。業者が自ら施工する場合 → 専門技術者の配置が必要
。業者が施工しない場合 → 許可を持つ業者に下請施工させる必要あり。
以下の作業は建設工事に該当しません。土砂運搬(トラック等での運搬)
除草・剪定・樹木伐採
。調査・点検・簡易な部品交換。
物品販売。
本社・本店で、決められた時間帯に継続的に職務に従事することを指します。
営業所に常勤し、その職務を専ら担当する技術者のことです。
原則不可ですが、以下の条件を満たせば例外的に可能です。
・
営業所で契約した工事であること
。・工事現場が営業所の近隣であること。
・
営業所と常時連絡が取れる体制があること。
・工事金額が一定額未満(建築一式工事は7,000万円未満)であること。
施工する建設工事の種類に応じた資格が必要です。 監理技術者には「監理技術者資格者証」の交付と講習の受講が必須。
公共性が高く、請負金額が4,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)の工事。※基準額は該当年度の適用額を必ず官庁発表のものとご確認ください。
原則不可ですが、契約工期が重複する工事で一体性がある場合は可能。 また、専任の「監理技術者補佐」を配置すれば、2つの工事の兼務が可能(特例監理技術者)。